加飾に関する手法およびノウハウ
今回は多色転写という加飾方法について見ていきます。
多色転写とは容器のような成型されたものに1工程で加飾する方法です。
ベースフィルムにシルク印刷された絵柄を対象物に熱と圧力で転写します。
直接対象物に印刷したようなイメージになります。
位置合わせの難しいものや細字にも対応しています。
この技法では転写箔が使われていて、加熱したシリコンロールで対象物に圧力を加えます。
ロール式、アップダウン式といった方法があり、様々な対象物に加工可能です。
それでは主な技法について解説します。
「ホットスタンプ箔」はプラスチックや金属、塗装面に使用されます。
化粧品や日用品、玩具にも使われる用途の広い技法です。
「グラビア転写箔」はグラビア印刷を目的とした技法で、多色印刷転写箔になっています。
CMYK(4色分解)の写真パターンやグラデーション表現も可能です。
アルミ蒸着とエッチング印刷の組み合わせで部分的にメタリックにすることもあります。
「スクリーン転写箔」はロール印刷機を用いた多色印刷転写箔です。
10色以上を重ねて印刷することもできます。
インクの塗膜を使うことで、インパクトの強い配色も実現します。
「デジタル転写箔」は印刷版が不要という特長があります。
小ロット案件に使うと、コストダウン効果が得られます。
1マークずつ印刷内容を変えるバリアブル印刷にも対応しています。
「シュリンクフィルム」は従来のシュリンクフィルムにホットスタンピング箔の手法を加えています。
広い範囲で箔押しできるので、メタリック、マット調も表現可能です。
さまざまな方法が実務では使われます。